アリは仲間と餌を口移しする際に共生相手(アブラムシ)を共有する

アリはアブラムシと共生関係を形成するが、共生するアブラムシの種は頻繁に入れ替わる。
アリは多数の同類で集団を形成するため、集団内で現在の共生相手を共有する必要がある。
各個体がそれぞれ共生相手と接触して認識するとなると、共生関係の構築に膨大な時間がかかってしまうため、そ嚢(消化管の一部で食べたものを一時貯蔵する器官)に蓄えた餌を仲間に分け与える際に、共生相手の情報を伝達していることが確認された。
複雑な脳を持たなくとも、こうした情報を共有する仕組みを獲得しているのは、それだけ集団としての外圧共有が、適応していく上で重要であることの顕れであろう。
◇アリは「誰が共生相手か」を口移しで巣仲間に伝えることが判明リンク
<マイナビニュース>より
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アリとアブラムシの関係は、異なる生物同士がお互いに利益を与え合う「相利共生」のモデルケースとして研究されてきた。アリは栄養豊富な甘露を受け取るかわりにアブラムシを保護し、その天敵を排除する。多くの場合、パートナー種は頻繁に入れ替わり、アリと共生関係を結ばないアブラムシ種も多く存在する。したがって、アリは現在パートナーであるアブラムシを正確に認識、識別する必要があると考えられるが、アリがどうやってアブラムシを認識しているのかはほとんどわかっていなかった。
これまでに同研究チームは、アブラムシから甘露を貰った経験のあるアリは、アブラムシに対する攻撃性を著しく低下させることを明らかにしている。この結果は、アリがアブラムシを学習することを示唆しているが、アリはアブラムシと家族単位で共生関係をむすぶため、「自己学習」だけではアリ個体全員がそれぞれ学習する機会が必要となり、共生構築に多大な時間を要することになってしまう。そのため、アリが家族の他個体にアブラムシの情報を伝える何らかのシステムを持っているのではないかと考えたという。
そこで、マメアブラムシ経験のあるアリとシャーレ内で同居させたアリのアブラムシに対する攻撃性を測った結果、直接のアブラムシ経験が無いにも関わらず、アブラムシに対する攻撃性を顕著に減少させた。これは、アブラムシの情報が未経験アリへと伝達されたことを示している。次に、情報伝達がどのように生じているのかを明らかにするため、アリの口移し行動に着目した。口移しは、そ嚢に蓄えた液状の餌を吐き戻し仲間に分け与える行動で、アリやハチなどの社会性昆虫で広くみられる習性となっている。アブラムシ経験アリから未経験アリへの口移しを阻害したところ、未経験アリのアブラムシに対する攻撃性が顕著に増加した。このことから、働きアリ間の口移しの際にアブラムシの情報が伝達されることが判明したという。
自身の経験を伴わずとも,他個体の観察や情報伝達をもとに個体が行動を変化させる社会的学習は、主に大きな脳を持ち高度な社会生活を営む高等動物でみられる現象と従来は考えられてきた。しかし、小さな昆虫までもが他個体の得た情報をもとに意思決定をする仕組みをもつことが徐々にわかってきたということだ。
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稲依小石丸
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