『戦慄怪奇ファイル コワすぎ』シリーズと白石晃士監督とクトゥルフ神話あれこれ

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 コワすぎシリーズの一部の巻がアマゾンですごく安くなっていて、900円台だったのでそのまま直ぐにポチっちゃいました。

 

  戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説

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 『戦慄怪奇ファイル コワすぎ』のインタビューにて、クトゥルー神話にまつわる発言が述べられている箇所があるので、改めて紹介します。

 

 登場するのは3巻と4巻のインタビュー。

 以下、該当する所を抜き出してみました。

 

 最初は、3巻インタビューの9分50秒くらいに登場します。

 

 「ま、幽霊ものなんだけども、ようするにその、この作品の根底にある、ま、クトゥルー神話的なものといいますか、太古の昔はね、あのぉ、邪悪なものが、実はこの世を支配していて、それが何かのきっかけで、えー、まあこの世から撤退してしまって、今のこの世界があるんだけれども、えー……、その、違う異世界からその邪悪な存在たちが、えー、ふたたびね……、こっち側の世界を支配してやろうと、虎視眈々と狙っていると……、そのチャンスを狙っているっていうような、まあ、その世界観がクトゥルー神話ですけれども、……まあ、なんかね、……あのぉー……、この私達が生きているこの世界とは違う異世界が存在するっていうのは、まあ、あのぉ……、面白いなあっていう風にやっぱ思うんで、そこには浪漫があるなって思いますんで……、それがなんかね……、あのぉ……、んー……まあ、好きなんですよね」

 

 次は、3巻インタビューの12分10秒くらいから。

  

 「で、えー、ファイルスリー、フォー、ま、なんとなく、決まっているわけではないんですけど、こう……なんとなくイメージしているのが、まあ、ワン、ツーがそうであったように……、えー、ま、奇数……、奇数ファイルですね、奇数のファイル、ファイル1は、ま、わりとそのスタンダードなつくりで、でツーはその……そういうクトゥルー神話的な、異世界の広がりが見える……そういうような作品になっていると……。で……、スリー、フォーはなんとなく、これもう本当決まりごとではないんですけれど、なんとなくそういう風にしようという思いがあって……、えー……、でスリーは……ある程度、定型に則った、けれども、ま、クライマックスはさらにちょっととんでもないことが起きるような、えー、ある種のまあ定型に則ったスタイルで魅せる、殺すと。で、フォーの方はですね、ま、これはまたご覧になってからという感じなんですけども、フォーの方はさらに異世界の存在というのを、えー、ま、さらに感じさせるような内容……としての、フォーと……、いう、ような感じに……、僕の中ですごく、あの、ぼんやりとではあるんですけど、ま、区分けしているところがあるんです」

  

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 続いて4巻インタビューの11分33秒くらいから。

 

 「ま、ほんとにね、思うのは4までこう作ってきたんですが、ま、本当にすごい低予算だからできていることではあるんですけれども、ちょっと奇跡的な、シリーズになっているんじゃないかと思うんですよね。で、えー……、5、6の、えー、ファイル5、ファイル6も、ね、えー、ちょっ、作る予定にはなってますで。やっぱり、その、シリーズを重ねていくごとに、その……クトゥルー神話的な世界が、えー、より、その、見えてくる。で、えー、すべての話が、どこかでつながっていて、そして……、ま、とくに──(以下ストーリーの具体的な話になるのでネタバレを危惧して省略)」

   

 そして、4巻インタビューの13分13秒から。

 

 「ファイル5、ファイル6を通じて、ある程度その謎が、えー、わかっていくような、ま、解決編的な側面を、えー、持ち合わせたものにしようと思っています。何か一つの、大きな出来事がおころうとしているんだと、いうこと……、そのクトゥルー神話的な感覚と、ま、工藤の、その……過去の物語の、ま、結末……とまではいかないでしょうけども、ある種の……、ある一つの帰結を、おー……6まででちょっと、決めたいなという風に思っていますね」

  

 このように、クトゥルー神話というワードが何度か登場します。

 ただし、コワすぎシリーズがクトゥルフ神話ものであるとは言われてません。

 あくまで、クトゥルー神話「的」な広がりや感覚を表現しようとしている、という感じです。

 

 

 その上で、コワすぎシリーズ本編から、あえてクトゥルフ神話要素を見出すとなると、いくつかそれらしいものが見つかります。

 今回入手した3巻、4巻から抜き出してみます。

 

 

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 FILE-03 『人喰い河童伝説』では、河童との対決時に利用したのが五芒星でした。

 日本のオカルトなので安倍晴明の桔梗紋(清明桔梗)由来の五芒星だと思われるのですが、クトゥルー神話ものとみるなら、同じく五芒星である旧神の印こと「エルダーサイン」に意識している可能性があります。

 

 

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 シナリオそのものにもクトゥルフ神話の定番展開を思わせる部分があります。

 (異形の事件に携わっていたら、携わっていたものが向こうの世界に取り込まれて……という感じに)

 

 

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 FILE-04『真相! トイレの花子さん』に登場するクリーチャーも、クトゥルフ神話からインスパイアを受けた可能性があります。

 うじゃうじゃ触手持ちですし。異世界ですし。

 (触手や異世界が出ただけで、その作品にクトゥルー神話っぽさを見出す風潮はどうかと思うのですが、「コワすぎ」の場合はインタビューでも言及されてますし、あえてクトゥルー的なものを探したら……という感じなのでご了承ください)

 

  戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相! トイレの花子さん

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 追記。

 劇場版序章、劇場版、最終章を見ると、更にネタがありました。

 

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 『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い』では「古の神」というワードが、「古の神だよ。俺たち人間にはな、とても太刀打ちできるような存在じゃない」や「古の神々がこの世に舞い降りようとしてるのか」や「古の神々が現代に現れる入り口となるだろう」というセリフで登場します。

 

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 また、「史上最強の劇場版」のインタビュー「コワすぎ通信vol.04」でも、クトゥルー神話のワードが登場します。01分46秒くらいから。

 

 「私はその……、あんまり、ま、人間の幽霊を、まあ、描くってのはそんなにおもしろいとは思ってなくて、よりその……イマジネーションが豊かなこと……、ま、あの……もっと派手なこととか、もっと異常なこととか、もっと、見た目が派手なものですよね、ま、そういう……ものを……あの……表現の中に入れたいなっていうことがあって。

 ま、私が好きなクトゥルー神話の世界ですね……クトゥルー神話、H・P・ラヴクラフト……が、まあ、始めたクトゥルー神話的な、まあ、世界というのいうのを、ちょっとモチーフに……裏モチーフにしながら、ま、進めていきたいな……と。

 まあまあ、諸星大二郎さんってことですね。諸星大二郎さんの……漫画家の、諸星大二郎さんという方がいるんですけれども、えー、まあ、諸星さんの影響が僕はすごく強いので……えー、諸星さん的な世界ともいえると思うんですけれども」

  

  次に、23分38秒から。

 

 「で、後は、ま、後は大嘘を作ってことですよね。えー、大嘘を付くために……旧日本軍がどうのこうのとかですね、……ま、クトゥルー神話的なあの側面に関してもそうなんですけれども、ま、そういうものが、物語に関わっていて(ネタバレになるので攻略)」

 

 

 以下は、『コワすぎ』シリーズ以外の白石晃士監督作品のクトゥルフ神話ネタを簡単に。(といっても、『コワすぎ」シリーズと部分的につながっている作品もあります)

 

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 『オカルト』には「九頭呂岩(くとろいわ)」というクトゥルーと語感を合わせていると思われる岩や、それっぽいものが登場します。

 

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 触手うねうねは白石監督の定番ネタなのですが、『オカルト』でも異世界と繋がった状態で現れることがおおいです。

 

 

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 また、『ある優しき殺人者の記録』には、同じくそれっぽい存在が登場します。(それっぽいだけで、神話要素かどうかは微妙です)

 

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 『カルト』はクトゥルー神話との触れ込みでリリースされています。

 ただし、神話要素が明確に登場するかは微妙なところです。(明確なワードとしては登場しません)

 向こう側の世界から触手がうねうね出てくるシーンと、憑かれた人間の首から上が触手みたいになってニャル様みたいに見えるシーンなどがあります。

 

 

 なお、白石晃士監督の作品には、人間の住む世界とは別の向こう側の世界があり、そちらからの影響がホラー現象として認知されるという共通点があります。

 

 

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