鈴木重謙屋敷を復元 自由民権運動の拠点 年度内に町(福島民報・2017/7/10)

鈴木重謙屋敷を復元 自由民権運動の拠点 年度内に町(福島民報・2017/7/10)


石川町は今年度、町中心部にあった通称「鈴木重謙(じゅうけん)屋敷」を復元する。

屋敷は、自由民権運動家河野広中が明治初期に務めていた石川区長時に使用し、政治結社石陽社の演説会などの会場にもなった。

周辺を史跡公園とし、運動の息吹を今に伝えるまちづくりの拠点とする。

復元する屋敷は木造平屋で延べ床面積は152平方メートル。柱などの一部は実際に屋敷で使われていた部材を再利用し、往時の雰囲気を醸し出す。河野が執務に臨んだ座敷や土間、板間、納戸など5部屋を再現する計画で今年度内に完成させる。

町は当時の所有者から屋敷の寄贈を受けたが、老朽化で1996(平成8)年に解体。柱や板などは保管していた。

土間に運動の資料やパネルなどを展示するほか、町民が休憩できるスペースも設ける。小中学生の歴史学習の場としても活用する。現在、町内に自由民権運動を紹介する史跡は少なく、運動発祥の地を観光振興に生かす。

総事業費は国の地方創生拠点整備交付金などを含めて5800万円を投じる。

町は今年度に屋敷周辺の土地約800平方メートルを取得。さらに屋敷敷地を含めて全体で約1760平方メートルを史跡公園に整備する。2018年度中にも完成させ、地域住民の憩いの場や観光スポットとしたい考えだ。

加納武夫町長は「今を生きる私たちには先人が自由を求めて活動した歴史を伝える責務がある。中心部ににぎわいを生み出す施設にしたい」と期待を込めた。



鈴木重謙屋敷
明治時代の自由民権運動家鈴木荘右衛門と養子の重謙の屋敷。
自由民権運動は人民の権利や言論の自由、議会開設などを求めた政治運動で、本県では1875(明治8)年に河野広中(1849〈嘉永2〉~1923〈大正12〉年)らが石川町で有志会議を設立し、1878年に東日本初の政治結社石陽社が発足した。
明治政府は運動を弾圧したが、一連の動きは政党結成、帝国議会開設につながった。

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