慈愛の遺志 後世に  社会福祉の祖・小野太三郎館(中日新聞・2017/7/6)

慈愛の遺志 後世に  社会福祉の祖・小野太三郎館(中日新聞・2017/7/6)


ひ孫・小坂與繁さん開館、遺品を展示

「社会福祉の祖」と言われる金沢市出身の社会事業家小野太三郎(一八四〇~一九一二年)の記念館が、六月に金沢市小立野で開館した。

ひ孫にあたる小坂與繁(ともしげ)さん(72)が自宅の一部を開放し、小野の慈愛の心を伝えている。

小野は二十五歳で、飢餓で苦しむ人を救済するため自宅を開放した。
その後、現在の社会福祉法人陽風園の始まりとされる「小野救養所」や「小野慈善院」を設立。私財で人々の自活を支援した功績が認められ、明治天皇から福祉分野で日本初となる藍綬褒章を受けた。

金沢ふるさと偉人館に預けていた遺品三百点を点検したのを機に、小坂さんが再び自宅で保管し、積極的に公開することに。

小野の仏壇がある仏間や和室、洋間の三部屋に、小野が大切にしていた仏教や儒教の教えなどを併記した年表や藍綬褒章などの賞状、日常的に使っていた茶わんや湯飲みなどを並べた。

色鮮やかな九谷焼の皿は、小野救養所の入所者が自立訓練で作ったもの。

苦しい人々と苦楽をともにしてきた小野の晩年の歌「としをつみ千世の坂こえ松はよろずる 高き山かな」などから、小野の人間愛が感じられる。

小坂さんは「自分を犠牲にして他人のために尽くすことはなかなかできない。若い人に遺志を伝えていきたい」と語る。

開館時間は、午前十時~正午、午後一~四時。日曜休み。
訪問前に連絡を希望している。
(問)記念館076(262)4050

小野太三郎伝―金沢が生んだ福祉の祖 [単行本]



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