旧有備館 黒船は「百尋高」 幕末・維新の文書など展示 伊藤東溟、鵙目貫一郎が記録 大崎 /宮城(毎日新聞・2017/7/4)

旧有備館 黒船は「百尋高」 幕末・維新の文書など展示 伊藤東溟、鵙目貫一郎が記録 大崎 /宮城(毎日新聞・2017/7/4)



大崎市岩出山の「旧有備館」で、企画展「有備館の先生、幕末・維新を駆ける」が開かれている。いずれも徳川幕府が江戸に設けた学問所、昌平黌(しょうへいこう)で学び、岩出山伊達家家臣の学問所の有備館で校長にあたる「督学」だった伊藤東溟(とうめい)(1827~66年)と鵙目(もずめ)貫一郎(1840~77年)が激動の時代に記した文書や軸など34点が並ぶ。

市教育委員会文化財課によると、東溟は1851(嘉永4)年ごろから数年間督学を務めた後、昌平黌で学び、後に藩命で幕府と対立する長州藩の動向を探った。

江戸湾の夜霧の中に浮かぶ外国船「黒船」を見上げて「百尋(ひゃくじん)(の)高(さ)」と詠んだ漢詩を書いた軸や、「尊皇攘夷(じょうい)」派の長州藩が、63(文久3)年の「8月18日の政変」後、開国を前提に貿易で富国強兵を目指し、諸藩が幕府を支える体制の確立を訴えた「上申書控」などが展示されている。

上申書では、3年後に実現した薩摩の倒幕への転向の可能性に触れている。

史料の多くは伊藤家の養子になった東溟の実家で明治初期に北海道に移った戸田家に伝えられ、今回初の里帰り展示になった。

貫一郎は詳細な日記を多く残しており、戊辰(ぼしん)戦争の岩出山隊の従軍記になっている68(慶応4)年の「鵙目子温手控簿(しおんてびかえぼ)」や、岩出山伊達家が北海道の開拓地に向かう71(明治4)年の「填海(てんかい)日記」など貴重な記録が並ぶ。

同企画展は9月3日まで(7月17日を除く毎週月曜と同18日休館)。
入館料一般300円ほか。
問い合わせは同市文化財課(0229・72・5036)。
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