理論研究部の田中雅臣助教が2017年秋季 台湾国立中央大学・デルタ電子 若手天文学者賞を受賞 – ニュース

本賞を受賞した田中雅臣 理論研究部助教と台湾国立中央大学の周景揚 校長の写真
本賞を受賞した田中雅臣 理論研究部助教(左)と台湾国立中央大学の周景揚 校長(右)。2017年10月18日,国立中央大学校長室にて。(クレジット:国立中央大学)

国立天文台理論研究部の田中雅臣助教(注)が2017年秋季 台湾国立中央大学・デルタ電子 若手天文学者賞を受賞しました。田中氏は超新星爆発や中性子星合体のような、時間変動する天体現象を研究する「時間軸天文学(タイムドメイン天文学)」に貢献したことが認められ、本賞の受賞となりました。

若手天文学者賞は、天文学の分野で優れた業績を成した若手研究者を対象として、台湾の国立中央大学天文研究所とデルタ電子が設けている賞です。受賞者を短期で台湾に招聘し、台湾の若手研究者らと交流をはかることで、台湾の研究者らの意欲向上につなげることを目的としています。受賞者は、国立中央大学天文研究所で専門家向けの講演を行うほか、デルタ電子財団において一般向け講演会、さらに台中市の高校で天文学の授業を行います。受賞者が行う最前線の天文学研究について、専門家のみならず多くの人々を対象に話す機会が設けられます。

デルタ電子財団にて一般向け講演会を行う田中氏の写真
デルタ電子財団にて一般向け講演会を行う田中氏。2017年10月20日撮影。(クレジット:デルタ電子)

田中氏の専門分野は、超新星爆発や中性子星合体のような宇宙における爆発現象の、観測的・理論的研究です。田中氏は、爆発現象を起こす天体の電磁波の性質を理論的に予測し、実際にすばる望遠鏡などで観測することによって、天体の爆発現象のメカニズムを明らかにしようとしています。 2013年から田中氏が行ってきた中性子星合体のシミュレーションによって予想されていた電磁波放射が、2017年に発生した重力波源GW170817の電磁波観測で実際に検出され、中性子星合体によって重元素が大量に生成されていることを明らかにしました(重力波源からの光のメッセージを読み解く ―重元素の誕生現場,中性子星合体―(天文シミュレーションプロジェクト)参照)。

天体の明るさなどの変化を時間軸に沿って調べることで、その天体で起こっている物理メカニズムを調べる天文学は「時間軸天文学(タイムドメイン天文学)」と呼ばれています。今回、田中氏はこの分野における貢献が認められ、受賞となりました。受賞した田中氏は以下のように喜びを語ります。「この度は栄えある賞を頂き光栄に思います。国立中央大学での講演だけでなく、デルタ電子財団、台中一中での一般講演の機会も頂き、貴重な経験をさせて頂きました。また、中性子星合体からの重力波・電磁波観測の成果を発表した直後の訪問だったため、台湾の研究者だけではなく一般の方々や高校生にも最新の研究成果を伝えられたことを嬉しく思っています。」

総合研究大学院大学 物理科学研究科 天文科学専攻 助教 本文へ戻る

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