H.036【真田丸】六

 真田家の重臣で、きりの父である、高橋内記を演じるのは、中原丈雄。

 内記は、きりが、信繁の妻になることを望んでいる。

 出浦昌相と同様、昌幸を信濃国の大名にしたいと、本気で考えており、昌幸とは、碁を打ちながら、密談を行っていることが多い。
 
 第二次上田合戦では、昌幸・信繁に従って、徳川の軍勢と戦い、紀州九度山にも、共に赴くが、昌幸の死後、殉死しようとする。

 しかし、信繁に止められ、信繁と共に、大坂へ入城する。

 そして、最後まで、信繁=幸村と共に戦い、大坂城において、討ち死にするのである。
 
 本作における、真田幸村の宿敵、徳川家康を演じるのは、内野聖陽。

 徳川家の主な家臣では、近藤正臣の演じる本多正信と、藤岡弘、の演じる、徳川四天王の一人、本多忠勝が登場している。

 井伊直政を登場させれば、2017年の『おんな城主 直虎』との連動性が高くなったはずであるが、井伊直政のイメージを、植え付けさせないため、敢えて、外したのであろうか。
 
 本作の徳川家康は、特に序盤では、小心者で、情けない姿を晒している。

 しかし、よく考えると、本能寺の変の時、徳川家康は、未だ、四十歳。2016年時点の筆者よりも若い。

 その若さで、戦国大名として、生き残りを賭けた、戦いを行わなければならないのである。
 
 ただし、情けない面があると同時に、戦国の世を生き抜くために、本多正信の献策を受け入れ、必死に努力し、北条氏政、上杉景勝、豊臣秀吉と渡り合い、大大名へと成長するのである。

 そして、二十年間の秀吉時代を経て、関ケ原の戦いの後、遂に天下を手に入れる。
 
 内野聖陽の大河ドラマの出演は、1998年の『徳川慶喜』、2007年の『風林火山』に続き、三回目。

 『風林火山』では、主人公の山本勘助を演じている。

 過去の作品の主人公を、大物の脇役として、登場させるのは、さすがは、大河ドラマと言うべきであろう。
 
 2009年の『天地人』では、同じく、徳川家康が、主人公の直江兼続の敵であったため、松方弘樹の演じる、家康は、悪人に近い、描かれ方をしていた。

 しかし、本作の家康は、三谷幸喜の脚本の影響もあり、完全な悪人ではなく、敵であるが、憎めない、可愛げのある人物である。
 
 本作の家康は、秀吉の死後、最初から、天下を狙っていたわけではなかった。

 腹心の本多正信、斉藤由貴の演じる、阿茶局に進言されても、渋っていたが、石田三成が、家康を殺害を企てた時、秀吉子飼いの武将の多くが、家康を守ろうとしたことで、遂に、天下を取ることを決意をする。
 
 本多正信は、家康より二歳上で、登場時点では、四十二歳のはずであるが、既に、老人の様な風貌である。

 近藤正臣の大河ドラマ出演は、1970年の『樅ノ木は残った』以来、実に十回を数え、直近では、2010年の『龍馬伝』で、土佐藩主の山内容堂を演じている。

 筆者にとっては、『龍馬伝』は、大河ドラマの歴史上の最高傑作なため、近藤正臣=山内容堂のイメージが余りに強過ぎた。

 しかし、本作の本多正信の役作りも見事であり、さすがは、十回の大河ドラマのみならず、数々の歴史ドラマに出演しているだけあると、感心させられた。

 本多忠勝は、実は、家康よりも、八歳、若いため、本作の初登場時点では、未だ、三十二歳のはずである。

 更に忠勝は、六十二歳で死去している。

 その忠勝を七十歳の藤岡弘が演じるのは、疑問であったが、大泉洋の演じる、真田信幸の舅として、信幸を震え上がらせるには、藤岡弘、並の貫禄が必要だと、納得した。

 吉田羊の演じる、忠勝の娘、稲は、信幸の正室となるため、忠勝は、関ケ原の戦いの後、昌幸・信繁の助命嘆願に尽力する。



[https://tv.blogmura.com/tv_jidai/ranking.html にほんブログ村 大河ドラマ・時代劇]
Top