堀江貴文氏「電話してくる人とは仕事するな」


堀江貴文氏の『多動力』が、発売からわずか3日で8万部を突破し、アマゾン書籍総合ランキングと、キンドル電子書籍総合ランキング第1位の二冠を達成した。
「多動力」を実現するためには、自分の時間を大切にすることに敏感でなければならない。体感時間が短く感じられる「ワクワクすること」だけで1日を埋め尽くすための真髄とは、いったい何なのだろうか。著者である堀江氏が明かす。

■「ワクワクしない時間」を減らしていく

 限られた時間しかない人生。いつも多動でいるためにいちばん大事なこと。それは、1日の時間の中から「ワクワクしない時間」を減らしていくことだ。嫌な仕事はどうしたって気が進まない。効率も悪くなるし、能力だって発揮できない。そんなものを背負っていたら、身軽に、そして大量のプロジェクトを動かして生きることなんてできやしない。

 「自分の時間」を奪う最たるもの。それは「電話」だ。 僕は「電話に出ないキャラ」を確立している。電話で話す必然性のない用事なのに、やたらと気軽に人の電話を鳴らす者がいるが、僕は絶対に応答しない。相手がどんなに偉い人であろうが、僕は「電話に出ないキャラ」になると決めている。電話は多動力をジャマする最悪のツールであり、百害あって一利ない。仕事をしているときに電話を鳴らされると、そのせいで仕事は強制的に中断され、リズムが崩れてしまう。

 ライブドア時代、僕は社員と面と向かってしゃべらないことをすごく批判されたことがある。同じフロアにいる社員や秘書にメールやチャットで指示を出していたからだ。「ホリエモンは隣の秘書にすらパソコンを使って連絡をする。なんと機械的で冷たいのか」という印象をもたれたようだ。

 僕だってちょっと一服したいときには、お茶を飲みながらそのへんにいるスタッフと雑談くらいは当然する。しかし、スケジュールの調整やちょっとした打ち合わせや連絡なんて、面と向かったミーティングや電話という同期通信でやる必要はない。メールやLINE、メッセンジャーを使った非同期通信で十分だ。

すき間時間を利用して、仕事を効率的に進めよ
 1日の中には、細かいすき間時間がたくさん発生する。そのすき間時間を利用し、非同期通信によって仕事を効率的に進めていくのだ。 前時代の感覚にとらわれている人は、コミュニケーションというのは、お互い同時間に行う同期通信でなければ意図が伝わらないと盲信している。そういう人が僕の電話を平気で鳴らし、人の仕事をジャマするのだ。 驚くべきことに、メールやファクスを送ったあとに「今メールを送りましたから」「今ファクスしましたから」と電話を鳴らしてくるバカもいる。

 こういうバカは、飛脚が走って手紙を届けていた江戸時代からメンタリティが変わっていない。悪気なく電話を鳴らしてくる時点で、僕はそんな人とは一緒に仕事をしたくない。電話でしかやりとりできないような人は、僕の時間を無駄に奪う害悪だ。

■「自分の時間」を無条件で譲り渡すな

 インターネットの大きな功績は、非同期通信を手軽にしたことである。非同期通信が手軽になったおかげで、人がどれだけすき間時間を活用できるようになったか。地球の裏側にいる人と仕事をするときにも、時差なんて気にする必要さえなくなったではないか。

 誰もが自分の都合のいい時間に情報にアクセスできる。上司に連絡や報告を入れるときに、メールやLINEを使うと怒る人がいるという。「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は直接電話しろ。だいいち無礼だ」としかりつける上司や仕事相手とは、付き合うのをやめるか、何度言われても、しぶとくメールやLINEでホウレンソウをすればいい。

 他人の目を気にしすぎて、「自分の時間」を生きていない人が多い。限りある人生、「自分の時間」を無条件で譲り渡すようなことをしてはいけない。多くのビジネスパーソンは、上司や先輩の怒りを買わないように無意味なルールに縛られ、「他人の時間」を生きている。自分が参加する必要もない打ち合わせに出て、上司の話をボーッと聞いている。 そんな「他人の時間」を生きるくらいなら、打ち合わせ中にスマホで気になるニュースを読んだり、LINEやメールを返して「自分の時間」に引き戻したほうがいい。

 「他人の時間」を生きるのは自分の人生に対して失礼ではないだろうか。僕は打ち合わせ中も、終始スマホをいじっている。スマホ画面を見ているからといって、会議がうわの空というわけではない。だいいち、すべての会議が濃密というわけではなく、くだらない会議、意味のない無駄話はどの職場でもけっこう多いものだ。そのすき間時間に、ケータイで必要な情報を得たほうがずいぶんと効率的だと思う。

 僕は起業したときから社長だったから、打ち合わせ中にケータイを見ていることについて、面と向かって文句を言われたことはない。だが、外では何か言われているかもしれない。なにしろ僕は、どこかのお偉いさんと会っているときも、相手によって態度を変えたりしないし、先方が天気の話題などどうでもいい話をしているときには、すぐスマホに目を落とし、「自分の時間」を過ごす。

「自分の時間」を生きているか
 「上司が話をしているときは目を見て聞け」とか「会議中にはスマホをしまえ」と言われても、屈してはいけない。それでクビにされるような会社だったら早く辞めたほうがいい。大事な会議で、あえてスマホをいじる勇気をもってほしい。周りにとやかく言われることを恐れ、「他人の時間」を生きてしまってはいないだろうか?  1日の時間を楽しみきるためには、自分が今、「自分の時間」を生きているのか「他人の時間」を生きているのか、ということに敏感にならないといけない。

■人の時間を使うなら、きっちりと対価を払うべき

 あなたは他人の時間を奪うことに敏感だろうか?  「時はカネなり」と言うように、人の時間を使うならば、きっちりと対価を払うべきだ。しかし、世の中には、何の悪気もなく平気で他人の時間を奪う人がいる。僕のメルマガの日記を読んでいる人は、僕が毎日さぞかし大勢の人と会い、社交的な人間だと思うかもしれない。 だが僕は、自分にとっておもしろい人としか会わない。つまらない人、ウザい人、そして電話をかけてくるタイプもそうだが、「自分の時間」を平気で奪うような相手とは意識して距離を取る。

 もちろん新しいプロジェクトを立ち上げる中で、どうしたって初めての出会いは増える。 第一印象で「こいつは面倒くさい」「ややこしいタイプだな」と直感するが、そういった勘はだいたい当たっているものだ。そういう「危険人物」と付き合うと、無駄に時間を奪われた揚げ句、不愉快な思いをすることになる。

 新幹線に乗っているときや道を歩いているときに、突然何の前触れもなく話しかけられるのも迷惑だ。僕はそういうとき、不快感をあらわにする。「失礼なヤツだ」と思われても、知ったことではない。「堀江さんの本を読んですごく感動しました。ありがとうございます!」と言われても、「だから何?」としか言いようがない。

 そんなことは感想文としてアマゾンのレビューやツイッターにでも書いてくれれば済む話だし、わざわざ人の足を止めて伝えるべきことではない。自己満足の報告のために、「僕の時間」を奪わないでほしい。

 あなたの周りにも悪気なく時間を奪う人がいるのではないだろうか?  誰とでも無難に付き合い、心にもないお世辞を言ったり、愛想を振りまいて生きているうちに人生なんて終わってしまう。自分がやりたいことを次から次に実現したいならば「自分の時間」を奪う人間と付き合ってはいけない。

 「多動力」を発揮するためには、「自分の時間」を取り戻すことがなにより大切だ。他人にコントロールされている「他人の時間」を生きているかぎり、時間はいくらあっても足りない。自分の好きなことをやる前に人生が終わってしまう。「自分の時間」を取り戻し、1日をワクワクだけで埋め尽くそう。

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